私はシステム開発業界には10年いましたが、そのうち7年くらいは客先常駐でした。
入社当時は、こんなにも客先常駐が多いとは思っていなかったのですが、私はどうもこの客先常駐という雇用形態に馴染めませんでした。
システム開発業界では客先常駐は多いので、私のように馴染めない人も多いのではないでしょうか。
もちろん良かった現場もあれば悪かった現場もあり、客先常駐には様々なメリット・デメリットがあります。
今ではプログラマーをやめて全く他の仕事をしていますが、客先常駐もプログラマーを辞めた理由の1つでもあります。
そこでこの記事では、客先常駐のメリット・デメリットを解説したいと思います。
Contents
客先常駐のメリット

客先常駐はデメリットだけではなくメリットもあります。まずはメリットを紹介したいと思います。
客先常駐のメリットは次のとおりです。
- いろんな会社・システムに携われる
- 自社以外の人と交流できる
- 大手企業のオフィスで仕事ができる(場合による)
- 面倒な自社のイベントをサボれる(1人で常駐の場合)
いろんな会社・システムに携われる
客先常駐スタイルはいろんなプロジェクトに参加できるので、たくさんの会社やシステムに携わることができます。
- 小規模プロジェクトから大規模プロジェクト
- 一般的な定番技術から最新技術まで
- 会社によるプロジェクト進行の違い
- 常駐先の会社としての雰囲気・ルール
自社の専門分野以外の知識・経験も積むことができるので、スキルの幅は広がりやすくなったと感じます。
自社以外の人と交流できる
常駐先の会社の人、他の会社で常駐している人、フリーで活動している人など、違った環境にいる人たちと交流することができます。
違った環境にいる人たちと交流することで多くのことが学べます。
- 自分の知らない知識を吸収できる
- 自社とは違う仕事スタイルを学べる
- 天才かと思えるほど優秀な人に出会うこともある(※レベルが違い過ぎて話についていけませんが笑)
中には参画している案件が終わっても、繋がりのある人もいたりと、人脈も広がります。
大手企業のオフィスで仕事ができることも
常駐先が大手企業の場合、綺麗な高層ビルで働くことができます。
大手企業のような環境の整った仕事場には、メリットが多いです。
- 綺麗で広々とした仕事環境
- 駅から近いことが多い
- 社食付きの会社はお昼代が安くすむ
仕事がしやすい環境というのは間違いありません。
面倒な自社のイベントをサボれる
客先常駐には1人になる場合もあります。
自社の人間は誰も見ていないので、定期ミーティングや飲み会など、面倒だなと思ったイベントは、何かしら理由をつけてサボれたりします。
孤独は孤独なのですが、けっこう自由度は高いです。
常駐歴7年の元プログラマーが語る客先常駐のデメリット
客先常駐のデメリットは次のとおりです。
- 勤務先が変わる
- キャリア形成がしにくい
- 人間関係が面倒
- 自社の人と関わりが薄くなる
- 自社への帰属意識がなくなる
- 自分の作業を全く見ていないにも関わらず、自社の上司に評価される
勤務先が変わる
常駐期間というのは、数ヶ月から年単位と様々です。中には1ヶ月だけというワンポイント常駐もありました。
とにかく勤務先が固定されないので通勤が面倒です。
- 始業が早い現場は、毎日通勤は満員電車
- 家から遠い現場にアサインされたら、朝早くから1時間30分もかけて通勤
- 駅から徒歩20分の現場(夏は最悪)
定期券も都度変えなければいけないですし、朝起きる時間も現場によって異なります。
キャリア形成がしにくい
フリーランスとは違い、基本的には自分が参画する案件は選べないことがほとんど。
自分が新しい技術に携わりたいと思っても、なかなかそういった機会に出会うことはありません。
保守・運用の案件の中には、退屈な作業ばかりで2年常駐といったものもありました。「別の現場に行きたい」と自社に希望しても、会社の都合などでなかなか別の現場に行けなかったりします。
またマネジメントの経験も積みにくいです。マネージャーやリーダーのポジションは、顧客の人間がするのがほとんどなので、開発メインの作業が多くなりがちです。
自社での開発や受託をしている会社であれば、会社としてキャリアアップの道が用意されていますが、客先常駐だとキャリア形成がしにくいです。
人間関係が面倒
客先が変われば、プロジェクトメンバーも変わるわけで、一から人間関係を築いていかなければいけません。
もちろん、メリット・デメリットもありますが、私のように人見知りの人間にはちょっと面倒なところです。
自社の人と関わりが薄くなる
自社の社員とチームとして常駐するならまだしも、1人で常駐することも多くけっこう孤独でした。
客先常駐だと自社の社員との関りが薄くなり、たいして大きくない会社なのに、1年を通してほとんどしゃべらない人も出てきます。
私の場合、同期とも同じ現場に出ることはほぼ無く、社内行事などで会えば話しますが、関係性はそこまで濃くなかったです。
自社への帰属意識がなくなる
自社にいる時間より、客先にいる時間の方が長いので、自社への帰属意識は徐々に薄れてきます。
10年働いて7年も客先常駐していれば、自社への所属意識はほとんどありません(笑)
派遣社員と変わらないじゃないかと。
自社に所属している意味はほとんど感じません。
自分の作業を全く見ていないにも関わらず、自社の上司に評価される
自分の働きぶりを直接見てもいないのに、評価をされることになります。
もちろん仕方のないことなのですが、正直意味がわからないですよね。
それであれば、自分の評価は自分で出せる個人事業主になったほうがいいという気持ちが芽生えたきっかけにもなりました。
まとめ
常駐歴7年の元プログラマーが語る客先常駐のデメリットを解説してきました。
なかには「客先常駐のほうがいい」という人もいますが、私はとてもじゃないですが好きになれませんでした。
メリットよりデメリットの方が大きいです。
客先常駐がいやだというのであれば、やるべきことは次の2つしかありません。
- 自社に相談する
- 転職する
自社で開発を受け持っているのであれば、自社で作業できないか相談してみましょう。
それができないのであれば転職するしかありません。
私はプログラマーを辞める道を選びました。
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これからプログラマーになってみたいけど客先常駐ってどうなの?という人の参考になればと思います。