海外旅行は新たな文化に触れ、素晴らしい経験を得ることができます。
しかし、その一方で、スリなどの犯罪に遭遇するリスクもあり、せっかくの海外旅行が台無しになってしまうことも。
そうならないために、スリに対する適切な予防策と対応策を理解し、準備しておくことが重要です。
そこで本記事では、海外旅行中のスリの手口やスリの対応策を紹介します。さらに、スリから守るためのおすすめグッズも紹介するのでぜひご覧ください。
観光客がスリに狙われやすい理由
観光客の持ち物は魅力
スリにとっては、観光客の持ち物は狙い目になります。
というのも、観光客は通常、現金やクレジットカードに加えて、高価なiPhone、カメラ、ブランドものなどを持っていることも多いので、これらはスリにとって魅力的なターゲットとなるからです。
特に海外旅行では、大量の現地通貨を所持していることがあるので、狙われやすい対象となります。
注意が散漫になりやすい
海外旅行では、スリに注意していたとしても、どうしても注意が散漫になりがちです。
というのも、見慣れない風景を眺めたり、地図を見て道を探したり、カメラで写真を撮ったりするからです。
こういった状況は無防備になりやすいので、スリから見れば明確なターゲットとなります。
被害に遭った時の対応の遅れ
観光客は何か問題が起きたとき、言葉の壁などから対応が遅れることがあります。
これはスリにとって有利な状況となります。
例えば、財布などの貴重品が盗まれた場合、警察への報告、クレジットカード会社への連絡、大使館への対応など、旅行者はさまざまな手続きを迅速に行う必要があります。
しかし、言語の壁や手続きの不慣れさから、このような対応をスピーディーにこなすことは難しいです。
そのため、スリにとって都合が良い状況となってしまいます。
加えて、観光客は短期滞在のことが多いため、被害に遭っても泣き寝入りしなければならないことも理由の1つに挙げられます。
海外旅行のスリにはどんな手口がある?
スリの手口は様々ですが、以下のようなスリの手口が一般的です。
混雑エリア
スリの犯行は、混雑したエリアで特に多く発生します。
混雑している場所は、人の多さからスリが目立ちにくいという利点があります。
さらに、混雑した場所では、他人との身体の接触も普通なので、この状況はスリにとって財布やバッグを盗むチャンスとなります。
グループでの犯行
スリの中には、グループで行動している場合もあります。
グループによるスリの犯行は、一部のメンバーが被害者の注意を引きつける一方で、他のメンバーがその隙に財布やバッグを盗むという手口を使います。
グループによる犯行は、単独のスリよりも巧妙で成功率が高いと言われているため注意が必要です。
おとり役に注意が引きこまれるため、防犯への意識がなくなりやすいためです。
他にも、人が極端に少ない道を歩いているときに、2人に挟まれて一人が強引に片手を引っ張って、その隙にもう一人がポケットの財布を盗むといった強引な手口もあります。
治安の悪いエリアでは、こういったことも起きる可能性はあるので注意が必要です。
置き引き
レストランやカフェ、公園・広場などで、荷物を置いて目を離した隙に取られてしまうことにも注意です。
ほっと一息つけるところでは、荷物を置いてつい放置してしまいがち。
このような行動は、スリにとって絶好の機会を提供してしまいます。
特に食事や休憩中は、食事を楽しんだり、友人・家族との会話、周囲の風景を眺めている間にスリに遭っていたなんてことも。
この手口はカフェやレストランだけでなく公共の交通機関なども含め、一時的に荷物を置く場合はどんな場所でも注意が必要です。
スリ被害を防ぐための対策
お金・クレジットカードなどは分散して保管する
現金やクレジットカードを、すべて同じ場所に保管するのはリスクが高いです。
もし盗まれた場合、すべての貴重品を失ってしまうからです。
それを避けるためには、これらの貴重品を複数の場所に分散して保管するのが賢明です。
例えば、一部の現金は財布に、残りはウェストポーチの内ポケットに入れるなどの工夫をすると良いでしょう。
このように分散して保管することで、一部が盗まれても全てを失うリスクを減らすことができます。
必要以上の現金を持ち歩かない
大量の現金を持ち歩くことは、盗難のリスクを高めます。
観光地などで買い物をする際、財布に大量の現金が入っているのを見られていて、狙われるパターンもあるからです。
万が一、盗まれたとしても手持ちの現金が少なければ被害は少なくて済みますし、精神的なダメージも少ないです。
現金は必要な分だけ持ち歩き、都度ATMでお金を下ろしながら、現地で行動をするほうがいいです。
ウェストポーチは体の前に持つ
貴重品はウエストポーチ(またはセキュリティポーチ)に入れておき、体から離さず持っておくと安全です。
また、ウエストポーチは体の前で持つことも重要です。
背中に背負っていると、目に見えないためスリの格好の餌食となってしまいます。
常に視界に入る位置に持っていることで、スリ予防に役立ちます。
シンプルな服装を心がける
海外の両校先では、できるだけシンプルな服装を心がけるのも大切です。
高級ブランドの服やアクセサリーを身につけると、スリに対して「私はお金を持っています」というメッセージを送っていることになります。
シンプルで控えめな服装を心がけて、高級ブランドはなるべく身につけないようにしたほうがいいです。
関連記事:シンプルがベスト!メンズ向け海外旅行の服装選びのポイント
防犯アイテムを利用する
スリから貴重品を守るために、ウェストポーチ、セキュリティポーチ、ネックストラップなど、防犯性の高いアイテムを利用するのもおすすめ。
これらのアイテムは身体に密着して着用できるので、スリの手から貴重品を守るのに役立ちます。
スリ防止に役立つアイテムは、海外旅行スリの対策グッズで紹介しています。
ホテルのセーフティボックスを利用する
状況に応じて、ホテルのセーフティボックスを利用することも検討してみてください。
全ての貴重品を一日中持ち歩く必要はないからです。
ただし、セーフティボックスに入れているからといって絶対に安全というわけでもありません。セーフティボックスに入れていたのに、盗難されていたケースもあります。
あくまで分散して保管する手段の1つとして考え、万が一盗まれた場合に痛手とならない程度の金額を保存するほうがいいでしょう。
歩きスマホは注意
海外を良好する際は、歩きスマホには要注意です。
歩きスマホをしていると、注意がスマホにいっている隙に盗まれる、スマホ自体を盗まれるといった被害があるからです。
スマートフォンは高価なものなので、スリにっとては魅力的なターゲット。
可能な限り、歩きながらスマホを使うことはせず、周囲の安全を確認しながら使うようにしましょう。
見知らぬ人からの声かけに注意
スリの1つの手口として、好意的に接してきたり、助けを求めるフリをして、こちらが油断した隙に物を盗むといったパターンもあります。
見知らぬ人からの突然の声掛けや、道案内、助けを求められた場合などは、警戒心を持つことが重要です。
純粋な親切心から声をかけてくれる場合もありますが、油断はしないようにしたほうがいいです。
また、いきなり体に触れてくるような人には要注意です。体に触れている部分に意識がいってしまい、その他の場所への警戒が疎かになるので、その隙に盗まれる可能性があります。
スリに遭った場合の対応策
いくらスリに注意しようとしても、100%防げるわけではありません。そのため、スリ被害にあった時にどう対応するかが重要です。
クレジットカードを紛失した場合
クレジットカードを紛失した場合は、クレジットカード会社に連絡し利用を停止してもらい、被害を最小限にとどめるようにします。
クレジットカード会社への連絡先(クレジットカード番号など含め)は、あらかじめ控えておきましょう。
また、クレジットカード会社によっては、海外トラベルサポートがついているものもあるので、こちらを利用するのもいいかと思います。
クレジットカードは、海外旅行保険が付帯していて、トラブル時のサポートが付いているカードを選ぶと安心です。
パスポートを紛失した場合
海外でパスポートを紛失した場合、以下の2つの対応となります。
- パスポートの再発行
- 帰国のための渡航書を申請
上記の申請の際、警察署の発行した紛失届出が必要になるので、まずは警察に盗難届を出します。
その後、日本大使館に行ってパスポートの再発行、もしくは帰国のための渡航書を申請します。
申請には、戸籍謄本も必要となるので、万が一を想定して日本から1枚もっていくといいです。
海外でパスポートを紛失した際の対応については、外務省・海外安全ホームページ「パスポートについて」を参考にしてみてください。
盗難の際スピーディーな対応ができる準備
海外で貴重品を盗まれた場合に備えて、スピーディーな対応ができる準備を整えておくことも大切です。
いつでもネット接続できる環境に
連絡手段が確実に確保できるように、ネット環境を整えておくことは重要です。
そのため、海外SIMカードかレンタルWi-Fiを利用したほうがいいです。
現地の無料Wi-Fiだけを頼りにしていると、緊急時にWi-Fiが利用できない場合に困ってしまうからです。
海外SIMカードかレンタルWi-Fi、どちらがいいかは海外旅行はSIMカードとWiFiルーターどっちが最適?選び方とおすすめサービスで紹介しているので参考にしてみてください。
緊急連絡先を控えておく
緊急時に備えて、あらかじめ一連の緊急連絡先を控えておくことが重要です。
現地でのヘルプを求めるにはいくつか選択肢があるので、まとめて控えておくと安心できます。
- 宿泊しているホテル
- クレジットカード会社のトラベルサポート
- 現地の日本大使館
- 海外旅行保険会社
これらの連絡先を控えておくことで、万が一の事態にもスピーディーかつ適切に対応することが可能となります。
いざという時のために、事前準備を怠らないようにしましょう。
海外旅行スリの対策グッズ
海外旅行のスリ対策に役立つグッズを紹介します。
ウェストポーチ(または薄型のセキュリティポーチ)
また、薄型のセキュリティポーチであれば、服の下に隠すことができるので安心です。
貴重品はできるだけ、肌身離さず、そして視界に入る位置に持っているのが一番無難です。
ネックストラップ
スマホや貴重品ポーチを首からぶら下げることができます。
薄型のポーチを服の中に入れておく時に便利です。
海外旅行のスリ防止に関するQ&A
リュックのスリ対策は?
海外旅行ではリュックでの移動が便利ですが、目の届かない背中にあるので防犯性は高くありません。
そのため、以下のような対策をするといいでしょう。
リュックを背負って移動する場合
リュックを背負って移動する場合は、貴重品はウェストポーチに入れて体の前にかけておく。その上で、リュックを背負う形がいいです。
また、バスや電車で立ったまま移動しなければいけない時は、リュックを前に回して持つようにします。混雑した場所で背負っていると、盗難のリスクが高まるからです。
ホテルにリュックを置いておく場合
宿泊先にリュックを置いて食事や観光をするといった場面は多いですが、こうした状況はリュックが無防備な状態です。
ホテルの従業員は自由に出入りできるため、悪意を持った人に何かしら盗まれる可能性もあります。
また、鍵つきロッカーのないホステルの場合だと、同部屋の他の宿泊者に盗まれる可能性も。
こういった場合は、以下の対応で防犯性を高めることができます。
- ワイヤーロックでベッドの柱などに固定する
- ファスナーに穴のあるリュックであれば南京錠でロック
それでも防犯性が高いとは言えないので、リュックを宿泊先に置いていく場合は、貴重品は入れておかないようにしたほうがいいです。
開けてすぐ手の届く位置に貴重品を入れない
リュックに貴重品を入れる場合は、チャックを開けてすぐ手の届く位置に貴重品を入れないことも大切です。
手を入れてすぐに貴重品を取り出せると、スリにとって最もイージーなことになるからです。
できるだけ、取り出しにくい位置や内ポケットなどに入れておくようにしましょう。
まとめ
海外旅行を楽しく、そして安全に過ごすためには、スリ対策は欠かせません。事前に対策をすることで、スリ被害の予防に繋がります。
とはいえ、どんな防犯対策も100%完璧ではありませんし、強引に取られてしまう可能性だってあります。
そのため、万が一スリ被害に遭ったときでも対応できるようにしておくことも大切です。
- まずはスリ対策をしっかり行う
- 貴重品は分散管理をして、1つが盗まれても問題ないようにしておく
- 緊急連絡先を確保しておく
これらの対策をしっかり行っておくことが重要です。